歯周病と全身疾患とのかかわり
歯周病は、高血圧、糖尿病、肥満、脂肪肝等と同じ生活習慣病です。従って、生活習慣を変えることによって予防できる病気です。
昨今、歯周病が様々な全身疾患と関連があることが分かってきました。
歯周病の予防と治療
歯周病の予防の基本は、セルフケア(自分自身)とプロフェッショナルケア(歯科医・歯科衛生士)です。どちらが欠けても効果的な予防はできません。
定期検診で、歯周病の原因を知り、歯石を取ってもらったり、患者さんそれぞれの歯肉の状態にあった歯磨きの仕方を教えてもらいましょう。
そして、教わった事を自分で日々実践していくことが大切です。
歯磨きに時間をかけるのは最初は面倒かもしれませんが、継続することで習慣になり、生活にリズムを作ってくれたり、歯磨きタイムがリラックスタイムになったりもします。
自分自身が歯を一本でも多く残すという強い意志を持たなければ、歯周病は予防できません。
歯周組織を再生させる
リグロスを使用した歯周病治療
歯周病が進行すると歯槽骨の破壊が進み、歯周ポケットが深くなることで、中高年になると歯が抜けてくる原因となります。これまでの歯周病治療はその進行を止めるだけで、なくなった骨を再生させることは不可能でした。
そこで新たに導入されたのが、歯を支える骨を再生する歯周組織再生療法「リグロス」です。
リグロスは歯周病の新しい保険治療として、注目を集めています。
リグロスによる
歯周組織の再生
リグロスは成長因子の作用により、歯周病で破壊された歯周組織の周囲にある細胞を増やし、さらに血管を作って細胞に栄養を送り込みます。
これらの作用により、歯周骨などの歯周組織が再生されます。
口臭の原因と治療
偏に「口臭」と言っても、その原因は様々です。
生理的口臭
特に原因が認められないにも関わらず、周囲の人が口臭を感じるもので、
睡眠時や仕事・勉強で長時間緊張が続くと唾液の減少(ドライマウス)により、口の中の細菌が繁殖して口臭が強くなります。
食事前の時間帯が最も口臭が強くなると言われています。
虫歯や歯周病が原因の口臭
虫歯や歯周病の進行により口腔細菌が増加したり、舌表面の舌苔が増加することによる口臭。
これらのほどんどは歯科治療で改善できると言われています。定期健診や定期的な歯のクリーニングをしてもらいましょう。
※実は口の中の常在菌の中で、虫歯や歯周病の原因となる悪玉菌は20%程度です。そのため強い殺菌剤の含まれるデンタルリンスや洗口剤は長期間使用すると口内フローラのバランスが崩れてしまうことがあります。そのため当院では、歯のクリーニングや歯周病治療にない抗菌作用のある”水”を使用しています。
全身疾患由来の口臭
割合はわずかですが、全身疾患が原因と思われる口臭もあります。
- 副鼻腔炎や喉の炎症
- 重い肝臓病や腎臓病
- 胃炎、胃潰瘍など
このような全身疾患由来の口臭は歯科治療だけではく、耳鼻科や内科的治療も必要になります。